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となりのナースエイド -知念実希人- [本]

新人のナースエイドの桜庭澪は、
星嶺大学医学部付属病院の総合外科病棟に配属された。

技術至上主義の天才外科医・竜崎大河と時にぶつかりながら、
医療行為が許されない立場で患者に寄り添い、癒していく。

澪がナースエイドを志したのは、
半年前に起きた凄惨な事件がきっかけだった。

ある日、澪の身辺に怪しい影が差し
事件がまだ終わっていなかったことを知る。

どんでん返しの連続に息を呑む、
ノンストップ医療サスペンス。

となりのナースエイド -知念実希人-.jpg

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第1章 ナースエイドのお仕事
第2章 二人三手の旋律
第3章 潜在意識の告発
第4章 家族のために
第5章 それぞれの選択
エピローグ

第1章を読んでる時、ただのドSとドMの物語なんかな、
って思うぐらい、先が読みたいと思う感じじゃなかった。

それが第2章に入り、この主人公のナースエイドが実は。。。
ってわかってから、急に面白くなった。
へー、そういう設定なんや。

そっから、事件とかも絡めつつ、
この人が怪しいとか勝手に思ってたけど、
あんまりどんでん返しの連続ではなく、
最後は、続きがあるんかなと思う終わり方で。

なので余計にこの1冊で全て解決して面白かったとは言えんくて、
んー、って感じ。

最後の展開がトントン進んで何も残らへんみたいな。
他の登場人物の重要度が大きい割に最後は自然と消えてるみたいな。

まぁでも続きが出たら読んでるかも。
そんな内容やった。








となりのナースエイド (角川文庫)

となりのナースエイド (角川文庫)

  • 作者: 知念 実希人
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2023/11/24
  • メディア: Kindle版








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さよならドビュッシー -中山七里- [本]

ピアニストからも絶賛!
ドビュッシーの調べにのせて贈る、音楽ミステリー。

ピアニストを目指す遥、16歳。
祖父と従姉妹とともに火事に遭い、
ひとりだけ生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負う。

それでもピアニストになることを固く誓い、
コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。

ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、
やがて殺人事件まで発生する。

第8回『このミス』大賞受賞作品。

さよならドビュッシー -中山七里-.jpg

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何か切なかった。
最初から計画してた殺人でもなく、
こんな状況だって偶然の事やのに。

ドビュッシー、初めて聞いた。
学校で習ってたんかな。
歌うことは好きやったけど、音楽の勉強はやった覚えがない。

なので、この本の中でも、
譜面通りに演奏するのはもちろんやけど、
作曲家のこの曲に対する意図を考え、自分ならこう考え弾いて、
みたいな、そういうのが出てくるねんけど、
全く入ってこんかった。

もしかしたらこの本は面白くないかもと思ったら、
犯人がわかりわかりはじめ、
最後に真犯人がわかった時には、衝撃を受けた。

ただ犯人に衝撃を受けただけじゃなく、
私が完全に騙されてて、ちゃんと伏線回収されて、
でも、その伏線がどこに出てきたのかも思い出せず。

という感想やけど、
この本の最後は、犯人の悲惨な状態ではなく、
音楽を通して、上を前を向いていくような締めくくりで、
何かよかった。








さよならドビュッシー (宝島社文庫)

さよならドビュッシー (宝島社文庫)

  • 作者: 中山七里
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2020/01/10
  • メディア: Kindle版








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七帝柔道記 -増田俊也- [本]

北大、東北大、東大、名大、京大、阪大、九大の
七校で年に一度戦われる七帝戦。

北海道大学に二浪の末入った増田俊也は、
柔道部に入部して七帝戦での優勝を目指す。

一般学生が大学生活を満喫するなか、
「練習量がすべてを決定する」と信じ、
仲間と地獄のような極限の練習に耐える日々。

本当の「強さ」とは何か。
若者たちは北の大地に汗と血を沁みこませ、
悩み、苦しみ、泣きながら成長していく。

圧巻の自伝的青春小説。

七帝柔道記 -増田俊也-.jpg

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まじでおもしろかった。
久しぶりに心と頭に残る本を読んだ。

オリンピックとかで見てる柔道とルールが違う。
個人戦ではなく、15 VS 15 の団体戦。
立ち技もあるけど、寝技中心の柔道。
1本取るか、時間がきて引き分けか。

これは大学生活の中での話やけど、
とにかく、登場人物が素晴らしい。

まだ大学生やのに、読んでたら学生に思えへん言動ばかり。
自分も辛いのに人を想い、助け合い精神がすごい。

七帝柔道には、
抜き役(相手に勝つ)と分け役(相手と引き分ける)の役割分担がある。
新入部員に説明をしてる時の会話。

「抜き役はエースとは違うんで、あんた」

「でも、抜き役って、強い人がなるんですよね」

「そうじゃの、強いんがなる。
 じゃが、抜き役の方が偉いとはわしらは考えんのじゃ。
 抜き役が勝つ一勝も分け役が分ける一引き分けも、まったく同じじゃ。
 抜き役と分け役に上下はないんじゃ。
 そういうものに上下をつける他の世界とは違うんじゃ。それが七帝柔道じゃ」

序盤に出てくる。
絶対に最後まで読もうと思った。





七帝柔道記 (角川文庫)

七帝柔道記 (角川文庫)

  • 作者: 増田 俊也
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/02/25
  • メディア: Kindle版








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デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 -河野啓- [本]

両手の指9本を失いながらも、
〝七大陸最高峰単独無酸素〟登頂を目指した
登山家・栗城史多氏。

エベレスト登頂をインターネットで生中継することを掲げ
注目を集めだが、8度目の挑戦となった2018年5月21日、滑落死。
35歳だった。

彼はなぜエベレストに挑み続けたのか?
そして、彼は何者だったのか?

かつて栗城氏を番組に描いた著者が、
綿密な取材で謎多き人気クライマーの真実にせまる。

デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 -河野啓-.jpg

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私は山が好きとかよく登ってるとかではない。
でも、栗城氏は知ってる。
なぜなら、メディアに取り上げられてたから。

でも、その後も栗城氏を追いかける訳でもなく、
へーって感じで知り、次に知ったのは亡くなった時やった。

若いし、TVに出てた時は生き生きとしてたから、
衝撃やった。

その後、ネットで栗城氏のニュースが出てきて、
一般人のコメントで、この人はメディアに殺されたとか、
無謀な挑戦をしまくってるとか、
いろんな情報が飛び交っていて、一体何があってんやろ、
と思いながらも更に検索する訳でもなく終わった。

その後、この本が出てノンフィクションを読むなんて、
初めてなんじゃないかと思ったけど、気になって読んでみた。

栗城氏の学生時代や、お笑い芸人になりたかったこと、
人当たりがよくて、いろんな人にかわいがられて、
企画力、プレゼンも上手で、登山家以外の事をしていたら、
もっと息の長い有名人になってたんじゃないかなって思った。





デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 (集英社文庫)

デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 (集英社文庫)

  • 作者: 河野啓
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2023/03/02
  • メディア: Kindle版








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クスノキの番人 -東野圭吾- [本]

不当な理由で職場を解雇され、
腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

そこへ弁護士が現れ、依頼人に従うなら釈放すると提案があった。
心当たりはないが話に乗り、依頼人の待つ場所へ向かうと
伯母だという女性が待っていて玲斗に命令する。

「あなたにしてもらいたいこと、それはクスノキの番人です」と。
そのクスノキには不思議な言伝えがあった。

クスノキの番人.jpg

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この作家のまた違った読み物に出会えた。
今までとはちょっと違う。

殺人事件がある訳でも、主人公がどうにかなる訳でもない。
ゆるりと主人公が成長してはいくねんけど。

ただ、最後にクスノキの不思議な言伝えが伝わり、
感動で終わりかと思ったら、まさかの伯母が・・・。

えー、こういう意味でまた読み返すことになるとは。
えっ、どこの場面から。
気づかへんかったわ。

とまぁ、ハラハラドキドキではないねんけど、
最後に何かしらのインパクトを与えてくる内容。

登場人物は、みんな覚えてるぐらい、
書き方がうまいのか、存在感がすごい。

伯母のことは驚いたけど、
それ以外は読んだ後のこの平穏な気持ち。
どこか大事なメッセージでも飛ばしてしまったんかな。

何か不思議な本やった。





クスノキの番人 (実業之日本社文庫)

クスノキの番人 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2023/04/07
  • メディア: 文庫








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特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来 -南原詠- [本]

特許権を盾に企業から巨額の賠償金をふんだくっていた
凄腕の弁理士・大鳳未来。

現在は「特許権侵害を警告された企業を守る」ことを専門にし
東奔西走している。

今回のクライアントは、映像技術の特許権侵害を警告され、
活動休止を迫られる人気VTuber・天ノ川トリィ。

調べるうちにさまざまな企業の思惑が絡んでいることに気づいた未来は、
トリィを守るため、いちかばちかの賭けに出る。

特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来.jpg

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最初はTVの特許権侵害で1つ問題が勃発して、
それをササッと解決したのち、上記のクライアントとの物語がはじまる。

完全に侵害してる・してない、とかでの解決ではなく、
お互い、目を瞑るところは瞑り、譲り合いましょう、
そう持ちかけるよう、ひたすら調べ上げて相手のマイナス面を探す、みたいな。

なので、内容うんぬんより、
この主人公は仕事ができて決断も早く仕事仲間も最強で、すごいやり手やった。

途中で意味がわからへん、となることもなく面白く読めた。





特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来 (宝島社文庫)

特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来 (宝島社文庫)

  • 作者: 南原詠
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2023/02/07
  • メディア: Kindle版








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侠飯8 やみつき人情屋台篇 -福澤徹三- [本]

底辺ユーチューバーの葉室浩司は伸びない再生回数と、
最近つれない彼女に悩んでいる。

フードフェスを撮影にいったら、
なぜか頬に傷持つ男の屋台を手伝うはめに。

まかないは絶品だが、彼女との仲はますます悪化。
さらに隣人トラブルと無差別テロ事件に巻きこまれて
人生最大のピンチ。

義理と人情がほとばしる文庫書き下ろし第8弾。

侠飯8 やみつき人情屋台篇.jpg

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この本はシリーズもので、
毎回、なぜか頬に傷持つ男が美味しそうな料理をパパッと作る。

料理の作り方を文章で説明されて読むのって、
香りも盛り付けも自分のイメージでしかないから、
きっと現実以上の味を想像してると思う。

こんなに簡単に作れるんや、ってものばっかりで、
いつかこの本の通り作ってみよっと思いつつ、
何も実行せずに8冊も読んでる。

この物語は、今ある話題のことを織り交ぜながら
どうせ俺なんて、みたいなところから最後は頑張ろうってなるねんけど、
もう少し、毎回出てくるなぜか頬に傷持つ男の活躍を見たかった。

まぁ、サスペンスではないから、そんなシリアスさを求めてないけど、
取って付けたような、今回は軽い感じやった。








侠飯8 やみつき人情屋台篇 (文春文庫 ふ 35-9)

侠飯8 やみつき人情屋台篇 (文春文庫 ふ 35-9)

  • 作者: 福澤 徹三
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2022/08/03
  • メディア: 文庫








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BLUE GIANT SUPREME(全11巻) -石塚真一- [本]

「世界一のジャズプレイヤーになる」
仙台で独りサックスを吹き始めた大は、高校卒業と同時に上京。

そして仲間を得てテナーサックス、ピアノ、ドラムのトリオ
「JASS」を結成する。

互いに切磋琢磨しながら必死に演奏し、
反響も日に日に大きくなっていったが、
ある出来事をきっかけに「JASS」は解散、

大は単身ドイツへ

日本から世界へと舞台は移り、
大の音はさらに大きく力強くなっていく。

BLUE GIANT SUPREME.jpg

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しゃべれないのにこの行動力。
ヨーロッパ編でも、いろんな人に助けられて、
それだけ、魅せられるものがあるんやろうな。

環境・考え方がまるで違う。
それでもサックスを毎日練習することはやめず、
ただ前へ進むのみ。

アジア人、女性だけで差別される。
そんなん関係ないのに。

でも、演奏が始まれば、観客の顔つきは一瞬にして変わる。
今まで聞いたことのない音、力強さ。

個々の実力も日本にいる時よりもはるかに上がってるのに、
それでも、まだまだ世界にはもっとすごい人がいて。

今でもすごいのに、まだ成長する姿を描けるのがすごい。
一人じゃここまで成長できひんぐらい、出会う人全てに恵まれ、
でも、恵まれてるのではなく、助けたくなるほど、
大のサックスに対する一生懸命さに心打たれるんやろうな。


【BLUE GIANT SUPREMEのサイト】
https://bluegiant.jp/supreme/














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BLUE GIANT(全10巻) -石塚真一- [本]

ジャズに心打たれた高校3年生の宮本大は、
川原でサックスを独り吹き続けている。

雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。
「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」

努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。
無謀とも言える目標に、
真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。

BLUE GIANT.jpg

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めちゃくちゃよかった。
1巻1巻釘付けになりながら読んでた。
通勤時間がもう少し長ければとさえ思った。

ジャズもサックスも仙台も何も知らんのに、
惹きこまれるってすごい。

展開もテンポも速くてサクサク読めるねんけど、
一言一言、良いこと言うてることが多くて、
言葉を一言一句逃すまいと読んでた。

1巻終わるごとに、宮本大と関わった人が出てきて、
思い出を語るねんけど、それもまたいいねん。

今はどうなってるんやろ、何してるんやろって、
こっちまで真剣に考えたり。

このまま終わりはどうなるんやろと思ってたら、
想像もつかへん事が起きて、かなり衝撃やった。

でも、あの短いページ数の間にも、
前を向き続ける姿が描かれてて感動した。

いい人にはいい人が寄ってくんねんなって本気で思えた。


【BLUE GIANTのサイト】
https://bluegiant.jp/first/










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はたらく細胞BLACK(全8巻) -清水茜- [本]

がん細胞をなんとか駆逐し、戦いの終わった体。
しかし、その爪痕はあまりに大きく――。

ここぞとばかりに攻め込んでくる細菌やウイルス、
そして細胞たち同士の間に起こる不和。

体はがんからの復興を遂げ、
「ホワイトな職場環境」を実現できるのか。

『はたらく細胞』哀愁と戦慄の大人版、クライマックス。

はたらく細胞BLACK(全8巻).jpg

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体のしくみ知る以前に、いろいろと考えさせられる内容やった。
『はたらく細胞』の大人版だけあって、
現に働いてるからこそわかる、伝わることばっかり。

『はたらく細胞』は、大まかに言えば、
困ったことがあれば、お互い助け合って乗り切ろうぜ、みたいな。

でも『はたらく細胞BLACK』は、元々の環境がBLACKな体。
それを職場のブラックとかけて、うんうん、わかるわかるって感じ。

体の中では毎日休まずせっせと働いてるねん。愚痴も言わずに。
でも、本体である人間はタバコやお酒がすごくて、
睡眠不足やのに栄養ドリンクや睡眠薬で乗り切ろうとして、更に悪循環に。

体の中はもうめちゃくちゃで。
そのうち、外から(治療)薬や手術で回復したりするねんけど、
その中で、胃の洗浄で胃の中が空っぽになる。
一見、回復していくように見えて、胃の中で働いてるものは、
仕事を奪われ何もすることがなくて。

そんなんなら、自分達なんていらんやん。みたいな。

体の中の一つ一つの役割、働きは『はたらく細胞』と同じく、
詳しく教えてくれるけど、
それ以上に人間の体ってそんな簡単なもんじゃないねんで、
って教えてくれた本やった。










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